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友を偲ぶ 遠藤周作

担当 : 津田お薦めTOPへ戻る

追悼文といえば、先頃タモリさんが赤塚不二夫さんにあてたものが多くの人の心をうちました。
故人への愛情と感謝の気持ちが溢れるタモリさんの心の声が聞こえてくるからこそみんなに感動を与えたのだと思います(葬式で感動などど言うのは失礼ですが)。

遠藤周作さんは編集したこの「友を偲ぶ (カッパ・ホームス) 」は1991年、私が23才の時に読んだものです。

遠藤氏が言うだけあって文壇の人の弔辞、追悼文は実に深い。北杜夫が齋藤茂吉に、和田勉が夏目雅子に、筒井康隆が色川武大に、 司馬遼太郎が池波正太郎に、井上ひさしが美空ひばりへ贈った言葉は、故人への深い愛情が伝わってきて実に見事で、その中でも特に私が感動したのは石原慎太郎が石原裕次郎へ詠んだものでした。

以下引用
“裕次郎さんが亡くなった時、主治医の一人がつぶやくように「裕次郎さんほど幸せな人を知りません。病は不幸でしたが、夫人といい、親友、部下といわれはしても、あれだけ多くの人々がこんなに長い期間、あんなに誠意をこめて看病するという患者を今まで見たことがない」といったそうです。

そして最後に「一つの死が、当人だけではなしに、その周りにいるある人間にとって、これほどの憩いであることを私は初めて知らされていた。そして悲しみははるかに遅れてやって来た。骨になって帰って来た弟を眺めた後の、この滅入るような欠落感がいつ拭い去れるのかを私は思うこともできずにいる」 ”

長い闘病生活で身体がボロボロになっていた弟が、ようやく苦しみから解き放たれた事を暖かく見送った兄の言葉であったと思います。

あれから19年、この本をまとめた遠藤周作さんも天国へと旅立ってしまいました。

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